戸田善規著『紫式部が愛した紙 藤原道長と「椙原庄紙」』

合併前の兵庫県旧加美町長や合併後の多可町長を歴任し、現在は総務省地域力創造アドバイザーをつとめる著者と、同じく兵庫県の加東市を拠点とする出版社・スタブロブックスの地域コラボ📚

 

『紫式部が愛した紙 藤原道長と「椙原庄紙」』(スタブロブックス、2024年)

日本全国、和紙の名産地はたくさんありますが、多可町でも「椙原(すぎはら)庄紙」(杉原紙)という和紙が生産されています。

町には杉原紙研究所があり、紙漉きが行われています。周囲には展示室や博物館も設けられています。

長編の『源氏物語』は大量の紙を必要とし、作者の紫式部は、書き心地のよい高品質の料紙を使用したものと思われ、この料紙こそ「椙原庄紙」であるとの論が展開されていきます。

良質な紙の生産にはきれいな水、原料となる楮や雁皮が大量に採れる・もしくは収集しやすいといった立地条件が必要ですが、現在の多可町が位置する播磨地域はこれらの条件を充たしていました。

そして平安時代以降も鎌倉幕府、神社仏閣などで重用され、今に至ります。

戸田さんは現在も精力的に杉原紙の振興につとめており、今年4月開校の多可中学校の校舎にも杉原紙が活用されているそう。次世代に素晴らしい伝統が受け継がれていくのは地域振興の要です。