2022年11月から2024年12月にかけて河北新報に掲載された調査報道に、さらなる追加取材で得られた内容を加え、新たに構成されました。一連の報道は、第29回新聞労連ジャーナリズム大賞を受賞しています。
『過疎ビジネス』(集英社新書、2025年)
舞台は福島県北端に位置する人口8000人ほどの町、国見町。
2022年、匿名の企業3社から受けた計4億3200万円の「企業版ふるさと納税※」を財源に、高規格救急車を12台購入して他の自治体にリースするという(肝心の国見町住民にはどんな利益があるのか…)、不可解な地方創生事業が始まりました。
町の公募事業とは名ばかり、応募はある防災ベンチャー企業一社のみ。新進気鋭の企業で、地方創生コンサル事業にも手を広げていましたが、救急車メーカーではありません。
河北新報の記者である横山さんはこの事業を取材し、過疎自治体に群がる都会のコンサル企業の実態を明らかにしていきます。
地域創生において、国からの補助金・交付金に依存しすぎることの問題点は、木下斉さんの本でかなり学びましたが、この本に書かれている内容はこんなやり方があるんだ…と、想像を超えるものでした。
地域活性化や移住とはまた違った角度から地方創生を学べる1冊です。
※正式名称を「地方創生応援税制」といい、企業が地方公共団体の地方創生プロジェクトに寄付を行うと、寄付額の最大約9割が法人関係税から控除される制度。これにより、企業は実質的な負担を約1割に抑えつつ、社会貢献や地域との連携強化が可能となる。